Kataru – 埼玉県で紡がれるストーリー

ジュニアアスリートの栄養

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前回は、ジュニア期(小学校高学年から中学生)の栄養について考えながら、簡単に出来ることとして、「三角食べ」を実践することをお勧めしました。

第二回目の今回は、運動を行っているお子様、「ジュニアアスリートの栄養」について考えてみたいとおもいます。

ジュニア期に必要な栄養

ジュニア期は、身長が伸び、体重も増え、もっとも急激に身体が発達する時期です。成長するために、エネルギーも栄養素もたくさん必要とされるので、子供にとって、食事をしっかりとることが重要です。一般的には、ジュニア期には、大人と同じかそれ以上の栄養が必要だといわれておりますが、さらに、部活などで強度の高い運動を行っている子供の場合、身体の成長に加えて、練習や試合で使うエネルギーが必要なため、さらに食事量を増やす必要があります。つまり、運動を行っている子供の場合は、大人以上の食事の量が必要だということになります。

バランスのよい食事を

ジュニアアスリートをもつ親御さんが食事を作るうえで、もっとも気を付けてほしいことがあります。

それは、

「主食、副菜、主菜、汁物、乳製品、果物をバランスよく」

ということです。

いくら、栄養に関する知識を身につけても、食材に含まれる栄養素を計算しながら献立を考えるのは難しいもの。だからこそ、この「主食、副菜、主菜、汁物、乳製品、果物をバランスよく」ということをしっかり心掛けてほしいのです。

  • 主食・・・炭水化物を含むエネルギー源となる食べ物。ご飯、めん、パンなど。
  • 副菜・・・ビタミンやミネラル、食物繊維などの供給源となるもの。野菜、いも、海藻、きのこなどが主材料のおかず。
  • 主菜・・・タンパク質や脂質を中心にしたもの。肉、魚、卵、大豆など、一食の中心となるおかず。
  • 汁物・・・塩分や水分を補給するとともに、野菜や海草など不足しがちな栄養を補う役目も果たす。代表的なものが味噌汁。
  • 乳製品・・・骨格をつくるカルシウムやたんぱく質を摂取するために必要。牛乳、ヨーグルト、チーズなど。
  • 果物・・・ビタミンやミネラルの供給源となるもの。疲労回復にも役立つので、アスリートは意識的に摂取するとよい。

これを意識するだけで、不思議と、バランスの取れた栄養素を摂取することができるようになります。

さらに、献立を考えるときにオススメなのが、まず先に「主菜をきめる」ということです。そのうえで、足りていない栄養素を考えていくとスムーズに献立を考えることができるでしょう。

本来、取り組んでいる競技によって、より多く摂取すべき栄養素は違いますが、それはあくまでもバランスの良い栄養の上に成り立つものです。バランスの良い食事が、運動や成長のためのエネルギーを蓄え、疲労回復し、怪我しにくい身体をつくります。ジュニア期においては、まずはバランスよく栄養がとれる食事を心掛けてください。

規則正しく1日3食を

ジュニア期において、注意をしておきたいことの一つが、朝食です。中学生になると、朝練で起床時間が早くなり、朝の時間がないために、朝食をとらない生活をしている子供をよく見かけます。しかし、本来3食でとるべき栄養を2食でとろうとすると、量的にも質的にも無理がかかるうえ、必要な栄養素も不足しがちになってしまいます。
朝練などで朝が早くても、必ず朝食の時間を確保したいものです。

朝食にはおもに、3つの働きがあります。

  1. 集中力を高る
  2. 体温をあげ、身体を目覚めさせる
  3. 栄養の確保

夕食を食べてから翌朝の朝食を食べるまでの間が、人間の生活の中ではもっともエネルギーを蓄えていない状態になっています。そして、起床時は血糖値が下がっていますので、朝食を食べずに一日をスタートさせてしまうと、集中力が続かない、イライラする、疲れる、などの不調の原因となってしまいます。前日になるべく早く寝て、朝の時間を確保し、必ず朝食をとることをこころがけましょう。

効率のよい補食を

さらに、ジュニアアスリートにとっては、食事をとるタイミングも重要になってきます。

ぜひ試していただきたいのが、

「運動した直後30分以内に炭水化物(糖質)とタンパク質をとる」

ということです。
運動直後の30分は、身体をつくるうえでも、疲労回復を促すうえでも、まさにゴールデンタイムといわれ、同じ栄養摂取量でも吸収率が高いと言われています。練習の直後に、おにぎりやヨーグルトなどをとり、帰宅後に、バランスのとれた食事を採るというのが理想的な栄養摂取となります。とくに、ジュニアアスリートの場合、成長期に併せて運動強度の高いスポーツをしているため、食事をとっても、摂取する栄養が、必要なエネルギー量に追いつかずに、体脂肪や筋肉がつかない・体重が増えないといったことがあります。また、たくさん食べようにも、内臓の機能も発展途上のため、消化能力が追い付かないこともあります。つまり、一気にたくさん食べるのではなく、補食をとるという考え方は、ジュニア期のアスリートにとっては、とても理にかなった栄養摂取方法と言えるのです。

最後に

今回話した内容は、どれも難しく考える必要がないものばかりです。

1年、2年後の身体をつくるのが今の食事だと考え、コツコツと実践していくことが大切です。ジュニアアスリートにとっては、食事もトレーニングの一つです。正しい知識をみにつけ、親子で成長を楽しみながら、バランスよく栄養をとるようにしてみてください。

 

【執筆者紹介】
管理栄養士として、十数年間、医療現場や学校行政などでの栄養指導を行ってきた経験をもつ。
近年はブログでの執筆活動などを中心に、スポーツ栄養指導を行うなど、主婦の目線にたった活動を行っている。

 

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