小中学生の子供をもつ親としてもっとも重要なサポート
小中学生の親御さんは、目標に向かって日々成長する我が子をどのようにサポートしているでしょうか?
勉強に力を入れているご家庭であれば、塾に行かせてあげたり、勉強をいっしょに見てあげたり。
スポーツに力を入れているご家庭であれば、朝早くからお弁当を用意したり、練習や試合会場までの送迎をしたり、試合中に応援したり。
様々なサポートをしているかと思いますが、もっとも地味だけど、もっとも大切なこと。
それが、日々の食事だと思っています。
普段の学校生活や、練習や試合でのパフォーマンスは、すべて日々の食事にあるといっても過言ではありません。
なぜなら、勉強やスポーツをするのは自分の脳や体であり、その脳や体を作っているのは、日々の食事だからです。
ジュニア期の栄養が大切なわけ
その中でも、ジュニア期の栄養が特に大切だという理由は主に、3つあります。
それは、
- 栄養に関する正しい知識にもとづいて、食べるという生活習慣を身につけるため。
- 勉強や練習することで向上する能力(体力や知力など)を効率よく上げるため
- けがをしにくい強い体をつくり、心身ともに健全な成長を促すため
です。
見落とされがちですが、ジュニア期は、健康で強い体の土台を作る大切な時期です。
同時に「食べる能力」を身につける大切な時期でもあります。大人になってから食習慣を劇的に変えるのはかなり大変ですので、ジュニア期のうちに正しい食習慣を身につけさせてあげたいものです。
スポーツで疲れたときは、食事がのどを通らないこともあるでしょう。特に暑い夏は、食事の量も減ってしまいがちです。
しかし、食べることもトレーニングだと割り切り、必要なエネルギーを満たしたバランスの良い食事をとらせてあげることを心掛けてください。
まずは三角食べを
また、小中学生が簡単に栄養を考える習慣をつけるために、「三角食べ」を意識させてあげることをお勧めします。
「三角食べ」とは、ごはん、主菜、副菜(汁物)を順番に均等に食べていくという和食の食べ方です。
この「三角食べ」のメリットは、おもに3つあります。
1つ目は、仮に、万が一食べ残した時でも、その時には、全ての料理に手を付けた状態のため、バランスよく栄養がとれているということです。
2つ目は、ごはんやおかずを順番に食べることで、味付けを口内で調節することが出来るようになっていきます。
これを「口中調味」と言いますが、「口中調味」をしっかり行うことで、味覚が養われると同時に、口の中で咀嚼(そしゃく)が行なわれ、消化が助けられると同時に、十分な栄養をとることができます。
3つ目は、「三角食べ」によって、噛むという行為が活発に行われるということです。噛むことで、脳内への血流が増え、神経活動が活発になります。
そして、脳が活性化され、子どもの脳の働きを良くしてくれるのです。
今まで、あまり「栄養」のことを真剣に考えたことがなかったという親御さんは、これを機に手軽な「三角食べ」をお子様に意識させてみることからはじめていってはいかがでしょうか?
今後も、「栄養」に関する記事を連載してまいりますので、すこしでも、栄養に興味をもっていただけたら幸いです。
【執筆者紹介】
管理栄養士として、十数年間、医療現場や学校行政などでの栄養指導を行ってきた経験をもつ。
近年はブログでの執筆活動などを中心に、スポーツ栄養指導を行うなど、主婦の目線にたった活動を行っている。