1週間ほど前、フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴ監督が、ある動画をみて、
「これが日本の現状。文化が根付いていない」
とツイッターで発言したことが話題になりました。
その動画では、子供のフットサルの試合にサッカーボールが使われていました。ゴールキーパー同士の蹴り合いが連発し、フィールドプレーヤーは頭上を飛び交うボールに右往左往するだけの30秒弱の動画。
サッカーボールはフットサルボールに比べて反発性が高く、ボールが飛びやすい。そのサッカーボールをフットサルのコートで使えば、小学校中学年のGKなら簡単に直接ゴールが狙えてしまいます。
ミゲルは、サッカーボールが悪いと言ったわけではない。ましてや、子供がパントキックからゴールを狙う姿勢を批判したわけでもない。サッカーもフットサルも、ゴールを目指すことを目的とする競技だから、それは当たり前のこと。
では、何を嘆いていたのか。
文化が根付いていないというミゲルの嘆きは、指導者に向けられていると思う。
このような状況では、残念ながら、埼玉県でも
「蹴るな!」
「試合を想定しろ!」
と指導者が叫んでいる光景をよく目にします。
でも、指導者は、状況によって、ボール、人数、ゴール、フィールドサイズ、ルールなどをオーガナイズし、子供たちが目的とする技術を習得できる状況にするのが大きな役割の一つ。オーガナイズをせずに、「蹴るな!」といったような押しつけの指導をしていて、子供たちの自主性が育まれるのかは、甚だ疑問です。指導者の工夫があれば、子供たちはボールを蹴り合わずに、自分たちで何かを感じながらゴールにボールを運ぼうとできたのではないかと思うわけです。
将来、地域の未来を担わなくてはいけない子供たちに、指導者がどんな教育ができるか。
子供が変わる前に大人が変わるべきことはないか。
もう一度、しっかり考え直してみたいとおもいます。