のむらほけんサービス野村文勇・田嶋智子 | Kataru

開業のきっかけ

（野村）　私は大阪出身で、大学卒業後に、三井住友ファイナンス＆リース（旧:住商リース）に就職し、大阪本社、さらには群馬支社や大宮支社などで、二十数年の間、営業として働いていました。ただ、私の親族はガンで亡くなる比率がとても高かったこともあり、働いていたころから、いつかそういった方のお役に立ちたいという想いが、頭の片隅にずっと残っていました。

そして、東日本大震災のあった2011年3月に会社を退職し、少しでもガンで苦しんでいる方々のお役に立てるようにと考え、アフラックの専属保険代理店として「のむらほけんサービス」を創業しました。

創業してからの約5年間で、少しずつ業務を拡大してまいりました。乗り合いの保険、損害保険、ペット保険も取り扱いながら、現在に至っていますが、いまでも、がん患者への対応や、支える家族の方たちへのフォローは重点的に行っています。

お店の特徴

（野村）のむらほけんサービスの最大の特徴は、店舗に併設したフリースペースです。

創業してからはずっと店舗を持たずに、自宅で事務作業をし、人からのご紹介や業者からの委託を受けて、訪問して保険サービスをご提案するという形をとっていましたが、2014年の12月に、現在の場所、南浦和で念願の保険ショップを構えることができました。ずっと自分の城を持つことに対する憧れはありましたが、とはいえ、なんの工夫もせずに保険サービスを提案するだけのお店を立ち上げても、お客様が何度も足を運んでくれるわけがありません。そこで、お客様のお役に立てる保険を提案するためには、まずお客様の本音、本当の悩みを打ち明けていただくことが重要だと考え、接客する人の人間性と、店内の雰囲気を重要視してお店をつくっていくことにしました。

まずは、店長となる人を探すことにしたのですが、探していた人材像は、明るく親しみやすさがある女性。そして真っ先に頭に浮かんで、声をかけたのが、ダイエットアドバイザーとしての顔を持っていた、今の店長である田嶋でした。

同時に、アットホームな雰囲気をつくり、お客様にリラックスしていただきながら、ご自身の将来やライフイベント、ご病気の事などをお話していただけるようにしていきたかったのですが、ただアットホームな雰囲気をつくるだけでは、お客さんはご来店してくれないんですよね。保険以外にも、普段からご来店していただくようなきっかけが必要だったのです。そこで、お店の一部を地域の皆さんに使っていただくことを思いつき、ワークショップの先生方を中心にこのお店を利用していただき、たくさんの方にお店の雰囲気をわかってもらうことにしました。ただし、「のむらほけんサービス」としてスペースの貸し出しを行うと、保険の斡旋だ思われてしまうなど、抵抗感を持つ方もいるので、「NomuRabo」としてスペースをお貸しすることにしたんです。

いま、「NomuRabo」では、ハンドメイドの講座やネイルやアロマなどのワークショップが開催されています。また、田嶋店長自身も、Smiley ダイエット教室を開催して、ダイエットや健康面のアドバイスを行うなどの活動をおこない、地域におけるコミュニティスペースとして徐々に盛り上がってきています。

立ち上げから5年間を振り返って

（野村）いま思い返すと、事業を立ち上げてから、約5年の間に、本当に巡り合わせやタイミングがよくて、ここまでやってこれたなと思います。たとえばお店の立ち上げ一つをとっても、ちょうどいいテナントが見つかったり、良いパートナーと最適なタイミングでの出会いがあったからこそ、いまがあると思っています。だから、本当に出会いに恵まれ、タイミングに恵まれて有り難いなという気持ちでいっぱいです。

やってて良かったこと

（野村）先ほど、アットホームな雰囲気のお店を目指しているという話をさせていただきましたが、とあるお客様が、家族間でも話ができなかった気持ちを、我々のお店ではじめて打ち明けていただいたことがありました。苦しんだ胸の内をはじめて打ち明けることにより、ご本人も楽になったと思いますし、ご家族の方の想いも汲みながら、
我々が一緒になって悩みを解決していくお手伝いをさせていただきました。

我々のお店への想いが実った瞬間だったのですが、そのときは、お客様のために一緒に考えることに夢中でしたので、その時に嬉しかったというよりは、あとからジワジワと喜びがやってきたという感じですね（笑）

（田嶋）私自身の夢は地域コミュニティの場を作るということでした。女性って、子供を産む段階になると、働いていたキャリアがいったんストップしてしまいますし、子供を産んだ後も、社会で疎外感を感じることが多いんです。
そういった女性たちに、NomuRaboのような地域のコミュニティスペースに立ち寄っていただき、「楽しかったね」とか、「こういう働き方をしたいな」といった前向きな気持ちになってもらえる場所にしたいとおもっています。

いまの仕事をご一緒させていただいて半年ほど経ちますが、少しづつ私がイメージしていたものに近づいているという実感はあります。ワークショップの先生方、ワークショップに参加されるお客様達が楽しんでいる姿をみると、少しは皆さんのお手伝いができたのかなと、嬉しくなりますね。

嬉しかったといえば、ワークショップの先生達からは、よく、「ありがとう！」とか「パワーもらえたよ！」って言ってもらえることがあるのです。ありふれた言葉かもしれませんが、心から言っていただいた言葉だと感じると、本当に幸せな気分になります（笑）。

今後の目標

（野村）情報の提供と場所の提供という２つの側面で、当店ならではのサービスを提供していきたいと考えています。

1つ目の情報の提供ですが、保険代理店というのは、契約した後は、顔がほとんど見えず、給付のときだけ連絡を取り合うという関係になりがちです。保険は「とりあえず入っておくもの」とか「お守りみたいなもの」とよく言われますが、当店の場合は、普段から美容や健康に関する情報を発信するなどして、お客様に最適な情報を提供していくことを心掛けています。

2つ目は、場所の提供です。ここは田嶋店長から話してもらいます。

（田嶋）はい（笑）、とにかく楽しい場所を作りたいなと思います。NobuRaboという場所を通じて、利用していただく先生方や、来ていただいたお客様が、何かを感じれる場所にしたいですね。楽しい思いをしてもらったり、刺激をしあったり、Smileyダイエット教室をつうじてキレイになってもらったり。そのために、これからも、たくさん工夫をしていきたいと思います。

（野村・田嶋）学べて、遊べて、人生を考えて・・・。小さな工夫を積み重ねていき、南浦和のシンボルといわれるくらい、このスペースでたくさんの事が経験でき、この地域のたくさんの方が交流できる場所になれたらいいですね。