Kataru – 埼玉県で紡がれるストーリー

ハウスブリアン 緑川陽子・佐藤ユミ

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House Brian立ち上げのきっかけ

(緑川)
わたしは20歳で結婚したのですが、38歳のときに離婚してシングルマザーとして人生を歩んでいく決意をしました。また、離婚を機に、家を買うことにしたのですが、このときの実体験が、いまの私に大きな影響を与えました。

当時、私はハウスメーカーに勤めていたので、家を買うための様々な条件は、ある程度は理解していたつもりですし、表面的には、女性が一人で家を買うことに、あまり障壁がないように感じていました。だけど、ハウスメーカーって、家族そろって家を買いに来る人が多くて、女性がひとりで家を買いにくることってあまりないんですよね。だから、本当の意味で、今の社会における女性の立場を理解できていなかったんです。

いざ自分が女性一人で家を買う立場になったときに、ローンが借りられるくらいの収入もあったのですが、実際にはローンがなかなか組めなかったんです。その時にはじめて、女性が一人で不動産というものに関わっていくには、かなり壁がある社会なんだということを痛感しました。

いまの時代、結婚せずに独身でいる方も多いですし、離婚率も高くなっていますが、女性が一人で生きていく社会環境はまだまだ整っているとは言いがたいですよね。その中でも、不動産というジャンルなら、今までの知識や経験を活かし、自分と同じような境遇の方たちのお役に立てるんじゃないかと思い、ハウスメーカーを退職することにしました。

 

お店の特徴

(緑川)
たまたま、フジキ建設の社長とご縁があって知り合い、昨年11月に入社し、不動産販売店を立ち上げることになりました。私が考えていたコンセプトややりたいことを社長に話し、理解していただきながら、準備を進めていき、2015年2月には、女性をターゲットとした不動産販売店として、「House Brian (ハウスブリアン) 」をオープンしました。

女性をターゲットにした不動産屋さんというのは、特に埼玉県ではまだまだ少ないのではないかとおもいますが、女性が入りやすいお店にしたかったので、カフェっぽい感じの造作・内装にしました。不動産屋というと、一般の人は関わりにくいじゃないですか。警戒されるし(笑)。だから、お店に入りにくいという要素を取り除くために、女性が気軽に立ち寄れるような雰囲気をつくり、リラックスしていただけるような空間にしたいとは思っていました。

また、私たちのお店では、対象の物件エリアは特に決めていないというのも特徴的かもしれませんね。地域に密着して、その地域に精通し、地域の物件をオススメしていくというやり方がオーソドックスなのかもしれませんが、必ずしも、お客さんにあった物件を提案しているかというと、そうではない場合も多いんですよね。実際、本当はお客さんにとって、もっとよい物件があるのに、売り手側の都合で物件の選択肢が提示されないということも多いんですよ。だから、私たちは、物件ありきで動くのではなく、ご来店いただいたお客様にあわせて提案する、動くという考え方を重視しています。

以前、ハウスメーカーで勤務していたときは、営業成績に追われるため、相性が合わないお客様がいても、成績やお金のためにと思って働いてきました。ですが、その働き方をしていると、どこかで歪みがでてしまうんですよね。最後には面倒になってしまってしまったり、どこかで手を抜いてしまったり。やはり、「この人のために頑張ろう」とか、「この人に幸せになってもらいたい」といった気持ちがないと、本当に最後までその人のために仕事をやりきれない。だから、私自身も、「人のために」という気持ちを大切にしています。

特徴的な物件の提案方法

(緑川)
私たちの場合、

「予算はどのくらいで、このエリアがいい」といったお客様の条件を聞いて、それにあった物件の候補をいくつか出して、実際に見に行って、内覧して・・・。

といった提案の仕方はしません(笑)。

まずは、

・なんで家をさがしているのか?
・予算の設定の根拠は?
・このエリアにしたい理由は?
・今後どんな人生プランを描いているのか?

といった、根本的なことを伺うことからはじめています。会話の中から、お客様がどこに優先順位をもっているのかを把握したうえで、お客様の希望している条件じゃないほうがいいんじゃないかと思えば、条件を変えて探すことを提案していますね。

たとえばの話ですが、あるお客様が、他の不動産屋さんで「3000万円の家が買える」と言われたとするじゃないですか。すると、お客様は、3000万円を条件にして家を探しにくるんです。そして、普通の不動産屋さんだったら、3000万円の家を探すわけです。ですが、お客様に「家を買った後、他にお金を使ってやりたいことはないですか?」「いま働いている会社は今後もずっと働きつづけていけますか?」といったライフプランを聞いていくと、やはり、3000万円の家は提案できなくなってくることが多いんです。場合にはよっては、「だったら、購入するんじゃなくて、借りたほうがいいんじゃないですか」といった提案をすることすらあるくらいです(笑)。

だから、最初ご来店いただいたときは、ほぼお客様の話を聞いて終わることが多いんです。それに、女性同士で会話していると、雑談も多くなりますし、境遇が近かったりすると、いっしょにライフプランを考える上で参考になる話もたくさん聞くことができるので、よりお客様の立場に立った提案がしやすくなります。

お客様へ向けて

(佐藤)
実は、私たちは、いままで、電話が鳴らないとか、お客さんが来ない、といったことは経験したことがなかったんです。だから、はじめて間もないころは、
「あ。自分たちで始めるっていうのは、こういうことなんだな。」
って。

それが、いろんな人と会って話できるようになり、すこしづつお客様もでき、ポツンポツンとでも小さな反響があって…。その積み重ねが大切なんだというのは、自分たちで一からやってみないとわからなかったですね。

(緑川)
まだオープンして間もない不動産会社なのに、電話してくれたり、ご来店してくれるのって、本当に凄いことだと思うんです。一人のお客様の重みが、ハウスメーカーで働いていた頃とは全く違うというか。だからこそ、お客さんが、家を買ったことを後悔することがないように、と思って仕事をしているつもりなのですが、おかげさまで、「ここまでお話してなかったら、この物件は買っていなかったよ」といったことを言って貰えていることに、とても嬉しく思っています。住宅を買うことによって、自分のお店がもてたり、事業を始めることができたり、地域で仲良く暮らせたりといったように、一歩でも前に進んだとおもってもらえたらいいですね。

今後の目標

(緑川・佐藤)
女性が家を購入しようとご来店する方は、正規雇用で働いている方が多いので、今後は、女性のキャリアを育てていくことについて、お役に立てるといいなと思っています。不動産売買に直面すると、どうしてもその時点での信用取引になってしまうので、人の属性で判断されてしまいがちですが、私たちは、不動産購入の準備段階から、一緒になってキャリア形成のお手伝いをしていき、最終的に信用を得られるだけのキャリアをもって、不動産の購入をしていただけるような関係が築けたらいいですね。

それでも、女性が住宅を購入するに際しては、「本当に買って大丈夫なのか」とか、「予算通りにおさまるのか」といった不安は必ず出てくると思うんです。私自身も、ハウスメーカーに勤めていたにも関わらず、自分が購入するときは、不安にもなりました。住宅を買う上で、信用できる人がほしいものなんですよね。そんな人たちから信頼される人間になりたいし、私たちがその役割を担って、心強く思ってもらえるような存在になれたらいいなと思います。

 

House Brian(ハウスブリアン)
埼玉県さいたま市南区 南浦和2丁目22-16
京浜東北線・武蔵野線「南浦和」駅より徒歩3分
048-711-8495
10:00~18:00
水・木曜日 定休

 

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